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ホームページに「お客様の声」を載せるとき、書けないこと。
ホームページに「お客様の声」を載せるとき、景品表示法のステルスマーケティング規制がかかります。2023年10月から、事業者が関与した口コミや体験談を、広告だと分からない形で載せることが禁止されています。声を書いてもらうだけでなく、知人に頼んで書いてもらうことも対象になり得ます。
私がこれまでホームページを作った案件で、実際にこの規制をどう扱っているかを書きます。
先に断っておくと、私は弁護士でも行政書士でもありません。ここに書くのは制作者として何を書かず、何を確認しているかであって、法的な助言ではありません。表示の解釈は、依頼主であるお客様の側にあります。
ホームページの「お客様の声」には、何がかかるのですか。
一般の景品表示法に加えて、2023年から始まったステルスマーケティング規制が上乗せされます。
景品表示法は、実際より優れていると誤認させる表示(優良誤認)と、実際より得だと誤認させる表示(有利誤認)を禁止しています。「業界で最も選ばれている」といった表示も、根拠になる調査の時期・対象・方法を示せなければ書けません。
ステルスマーケティング規制はここに、2023年10月1日から追加されました。事業者が関与した口コミや体験談を、広告だと分からない形で表示することが、不当表示に指定されています。既存のお客様に「感想を書いてほしい」と頼み、その関与を隠したまま載せると、この規制の対象になります。
制作者にとって効いてくるのは、声を集める段階です。感想をもらったからといって、そのまま載せてよいわけではありません。誰の言葉で、どこから取得したものかを、載せる側が説明できる状態にしておく必要があります。2026年8月時点でも、この規制の運用は続いています。
では、何なら書けるのですか。
取得元をはっきりさせられる声だけです。誰が、いつ、どんな形で言った言葉なのかを説明できれば書けます。
私が書く・書かないの線引きにしているのは、内容の良し悪しではなく、取得元を記録に残し、説明できる状態にしてあるかです。説明できないなら、たとえ本当の感想でも載せません。ただしこれは私の実務上の運用であって、法的な最終判断ではありません。
私は声をいただくとき、掲載の許諾を4段階に分けて確認する運用にしています。どれを選んでいただいたかを記録に残し、選ばれていない使い方はしません。
・原文のまま掲載してよい
・趣旨を変えない範囲で編集してよい(編集後の文面も別に残す)
・掲載前に文面を確認してもらう
・掲載はせず、社内の改善だけに使う
謝礼は渡していません。対価を払って書いてもらった声は、ステルスマーケティング規制のもとで対価の関係を明示する必要が出てきます。渡さないほうが、扱いが単純になります。
実際に、どこまで書かなかったのですか。
ホームページは3件納品していて、掲載してよいと回答をいただけたのは、そのうち2件です。
回答をいただけた2件は、どちらも「趣旨を変えない範囲で編集してよい」を選ばれました。だから読みやすく整えた文面を載せていて、整える前の原文も別のファイルに残しています。どちらを選ばれたか、いつ、どの形で受け取ったかも、案件ごとに1行ずつ台帳に記録しています。
声が0件のあいだは、声を載せる欄そのものを作りませんでした。「準備中」と書いた空の枠を先に置くと、埋めるために声を探すことになるからです。欄を作ったのは2026年8月末で、載せているのは回答をいただけた2件だけです。
書かなかったのは、公開後の反響に触れた一節です。いただいた文面のなかにはそこに触れたものもありましたが、その版は使っていません。反響に触れるなら、同じ結果をお約束するものではないという断り書きと、ご本人への確認をセットにする。これは法律で決まっていることではなく、私が自分に課している掲載の基準です。確認が取れるまでは、触れていない版だけを載せています。
もうひとつ書かなかったのは、声の代わりに数字で埋めることです。感想が足りないからといって、実績の件数や活動年数を強調して権威づけをする方法もありますが、それはしていません。
制作会社に頼むとき、何を確認すればいいですか。
声の取得元を、載せる側が説明できるかどうかを確認してください。
「お客様の声を集めてくれるか」ではなく、「誰から、どうやってもらった声なのかを、あとから説明できる形で残しているか」を聞いてください。口頭で聞いた感想をそのまま原稿にする進め方だと、あとで取得元を示せなくなります。
もうひとつ確認したいのは、謝礼の有無です。謝礼を渡して書いてもらった声は、対価の関係を明示しないとステルスマーケティング規制に触れます。謝礼が無い声のほうが、扱いはずっと単純です。
最後に、既存のお客様に依頼するときの聞き方も確認してください。「掲載してよいか」だけでなく、「原文のままか、編集してよいか、事前に見せてほしいか」まで、選べる形で聞いているかどうかです。
費用と期間はどのくらいですか。
声の収集自体に、追加費用はかかりません。ホームページ制作費用に含みます。
1ページ構成で10万円、5ページまでで15万円。norip studio の場合の金額で、2026年8月時点のものです。立ち上げ期につき、制作事例として掲載にご協力いただける方への特別価格になっています。この中に、声を集める仕組みの用意も含まれます。
期間については、実測値をまだ持っていません。回答は2件いただけましたが、こちらからお願いした日を記録していなかったので、依頼してから何日で返ってくるかを数字で言えないからです。記録の取り方を変えたので、次の1件からは出せるようになります。
公開後にご自身で内容を更新したい場合はCMS機能の追加が4万円、更新をこちらに任せる場合は保守管理が月額4,000円からです。
拠点は愛知県名古屋市です。業種を問わず、法律事務所からサロンまで、同じ考え方でホームページを作っています。
すでに許諾の取り方・掲載の可否をご自身で仕組み化できているなら、この記事に書いた範囲はもう満たしています。
「声が集まっていない段階でも相談してよいのか」という段階からご相談いただけます。ヒアリングとお見積りは無料です。